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2004/03/03

台風

気象に興味のある人でも「台風」の定義を知っている人はあまり居ないのではないでしょうか?
 台風とは東経180度以西の北太平洋、東シナ海で発生した熱帯低気圧のうち最大風速が毎秒17.2メートル以上のものを指し、タイフーンとも呼ばれます。熱帯低気圧はその発生海域で呼び方も違ってきます。メキシコ湾、カリブ海で発生するものを「ハリケーン」、インド洋やベンガル湾で発生するものを「サイクロン」と言います。キャプテン時代は主にアラスカ湾や低気圧の墓場と言われるベーリング海での操業が主体だったため時化には慣れっこになっていましたが航海士時代2度訪れたニューヨーク沖でのハリケーンには流石の河童も度肝を抜かれました。ベタ凪の晴天が数時間の内に大時化となり瞬間最大風速が50~60メートルにも達する恐っトロシ~~時化にも度々遭遇しました。波長300メートル以上のウネリの波頂(波のてっぺん)は強風で吹き飛ばされ海面はその泡で一面真っ白になります。風波のため船体は傾いたまま、ただひたすら低気圧の通過を待つのみ、自然の力の大きさに比べ人間のなんと小さいことかと無神論者の私でも「神様お助け!」と祈る気持ちにも何度かなった程です。がしかし幸いなことにハリケーンは速度が速くアメリカ大陸に上陸するまで1~2日しかかからず、その間だけ神様が見捨てないで居てくれたら直ぐ又ベタ凪の好天になるのです。ベーリング海はそうはいきません。低気圧の墓場と言われるだけあって大陸から発達しながら東進、北上してきた低気圧がベーリング海で行き場を失い停滞するので時化が何日も続くのです。その恩恵?としてアラスカに棲む「白フクロウ」など珍しい鳥が船上に迷い込んだりもしますがやはり凪の海が一番です。どんな大時化に遭遇してもあの巨大な鉄のかたまりが沈まないのは日頃からあらゆる状況を想定し対策を講じているからです。その基本となるのが「5S」なのです。
 海も陸も真理は一つ、「自分自身の5S並びに環境の5S無くして幸せな人生は送れません」