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2014/04/18

韓国客船の沈没

お隣韓国で痛ましい海難事故が起きた。事故の原因は容易に想像がつく。そもそも客船や自動車運搬船の類はスタビリティー(船の復元性、安定性)が悪い。何故かと言えば復元性が良いということは船は常に垂直を保とうとして(傾いたら起き上がろうとして)揺れが大きく常に揺れている状態である。客船がそれでは乗り心地が悪いため敢えて重心を高くし「ゆっくりと傾き、ゆっくりと起き上がる」ように設計されているのである。船には「浮心」(浮く力)と「重心」(沈む力)がありこの距離の差が復元力に影響する。客船はこの浮心と重心の距離が極端に短くなるように設計されているので例え揺れてもユラ~~リ、ユラ~~リと心地の良い揺れ方をする。もうひとつの原因は船内に積載されていた車やコンテナのローリング(横揺れ)対策。普通は時化に備えデッキ上にチェーンなどでしっかり固定されているがこれがおろそかになると、ちょっとした揺れで車やコンテナが左右どちらかに移動する。一度傾くと起き上がるのにある程度の時間を要するため、起き上がる前(垂直になる前)に更に傾いた舷側に他の荷物が移動しついには起き上がれなくなる。海底に障害物がない海域でこのように突然船が傾く原因は一つ、全速で航行中の船が急に大きな角度で舵をとったときである。何か障害物を避けようとしたのか?それとも操舵輪と舵を結ぶ電気系統或いは油圧系統のトラブルで舵が効かなくなったか? 要は大きな角度で舵が動き、その遠心力で舵とは反対側に傾き、それによって船内の荷物が一気に移動し、起き上がれないだけの角度に達し、そこへ海水が侵入し沈没したことは明白である。数年前ギリシャの客船が座礁したさいキャプテンが真っ先に船を捨て脱出したことがあったが今回も同様なことが起こったとニュースが伝えていたが船乗りとしては最低、下の下である。遭難者の家族が泣き叫ぶ姿を見たが日本ではありえない光景であり、これが民族の違いかと思った。ただ女性のリーダーが為すすべもなく無能な顔を映し出されていたが、これは原発事故の際日本のリーダーがパニクって現場を混乱させたのに比べればまだましか?とも思ってしまった。まだ若き高校生が多数を占めるこの惨事、慰めようのない痛ましすぎる人身事故である。