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2015/06/18

無二の会「函館」

今年の「無二の会」は皆さんそれぞれ想い出深い地である函館開催となった。残念なことにメンバー最年少(といっても小生より二歳若いだけであるが)のU氏が病気療養のため5人の参加となった。船乗りを志す長崎大学の漁業学科生は4年時になると「社船実習」と言って約半年間民間の船に乗るカリキュラムがある。練習船の乗船履歴だけでは国家試験の受験資格が取れないためが主な要因であるがこの社船実習で将来の進路が決まるほど学生生活にとって意義のある実習となる。桜が満開となる5月、函館は「鮭鱒事業」一色になる。12隻の母船にそれぞれ35隻の独航船が配置され5月15日の出港準備に追われる。デパートに買い出しに行くと店員さんが必ず「ご苦労様です」と挨拶をしてくれるほど街全体がヤン衆(船乗り)で溢れかえる。夜は夜で道内のあちこちからこの日のために出稼ぎ?に来たような女性がおもてなしをしてくれる。出港前夜この女性たちと函館山に登った。長崎や別府の夜景と違って平坦な土地に扇を二つくっつけたような見事な夜景に感動したことを今尚はっきりと覚えている。忘れられないのは出港の翌日5月16日「十勝沖の大地震」が発生したことである。1万トンクラスの母船がエンジントラブルかのような振動をしたのであるがこれが地震によるものと聞いてびっくりした。昨夜までいた函館の街の被害は?と気になった。3ヶ月後に帰港して見た街の風景は無残なものであった。それから2年後、専攻科生時代の日本一周航海で再び函館を訪れた。北大水産学部との交流をメイン行事に観光地を数箇所訪れた。大沼公園、五稜郭、トラピスティヌ修道院、羊が丘など良き青春時代の想い出である。今回は札幌に住む友人が幹事となりこれら思い出の地巡りを企画してくれたお陰で楽しい3日間を過ごすことができた。函館山に始まり最終日の北洋記念館まで又新たな思い出ができたことに感謝感謝である。夕食の時は今回欠席した友人の回復を祈り乾杯をしたが次回予定の静岡では是非皆さん元気な姿で再会をと誓った。良き恩師、良き友に恵まれたことを改めて感じさせてくれた函館の旅であった。