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2010/10/28

南極の氷

先日、4期ぶりの経常黒字を出すことができたこともあり役員会の懇親会を開いた。何か珍しいものでもと思い「南極の氷」を取り寄せた。水割りにこの氷を使うと「ピチピチ」と音を立てる。何万年もの間南極大陸に降り積もった雪が堆積し、海に押し出されて出来た氷山の欠片である。小生が南氷洋でこの氷を初めて目にして20年以上が経過したがこの音を聞いて当時のことを思い出した。日本を発って一路南下し、赤道を通過後ロンボク海峡を通過しインド洋へ、そして魔の暴風圏を抜けると南氷洋である。東京港を出港して26日目、生まれて初めてテーブル型の氷山を目の当たりにした時の感動は言葉に表せないほど新鮮なものであった。
オキアミ操業の合間、ゴムボートを降ろし氷山周辺のバラけた流氷を採集し毎晩水割りを楽しんだ。ピーンと弾ける音が何ともいえず何万年も前の空気の音なんだとロマンチックになったものである。当時は「オキアミ獲るよりこの氷を持ち帰って売ったほうが利益が出るんじゃないかあ」等と冗談を言っていたが今ではそれが現実となり「南極の氷」と言う立派な?商品となっているのには驚いた。
美しい氷山群、優雅に泳ぐクジラ、流氷の上に一列に並んだペンギン達、これほど美しい風景が「自然破壊」の餌食となっていくのかと思うと空恐ろしくなる。北氷洋の氷原は尚更深刻である。数十年後には殆ど消滅するというデータも出ているが人間とは不思議なもので白熊の行く末は心配はしても自分のことはあまり気にならない
らしい。政局は相も変わらず混迷しつづけているし、経済も中国をはじめ大国のエゴに翻弄されてるが、これらに関わる悪しき旗振りどもにこの南極の氷の弾ける音を聞かせ、目を覚まさせたいものであるが到底無理な話であろう。
ちなみにこの「南極の氷」だけで造った「南極の華」というニッスイブランドの焼酎も非常に美味であった!