Pages

2011/05/25

異常気象と入梅

ここ数年、世界規模での異常気象が各地で起こっている。昨日、九州地方に入梅宣言が出されたが、二週間も早い入梅も異常気象といえるのではないか?例年に比べ燕の飛来も少ない気がするし、降雨量の極端な低さも気になるところである。
そもそも「梅雨」という季節(気象現象)があるのは世界広しと言えども中国大陸東岸から日本にかけてだけである。何故この地域だけなのかといえば「ジェット気流」が起因する。南の暖かい空気と北の冷たい空気がぶつかり地球の自転の影響で地球上に西から東へ吹く風が生じる。これがジェット気流であるがこの風がヒマラヤ山脈に当たり南北に空気の流れが分断され日本はその隙間に当たるため風が弱まりそこに南の湿った空気が流れ込み梅雨前線が出来やすくなるというのがこの地域のみに「梅雨」が存在する理由である。
地球の地軸が23,5度傾いているだけで高緯度では「四季」が存在する反面、低緯度地方は雨季と乾季のツーシーズンのみとなる。何億年もの間、規則正しく自転・公転を繰り返してきたのに「異常気象」が顕著に起こり始めているのは何故なのであろうか?文明の発達による地球環境の変化がその主たる要因であることには違いないが「地球の温暖化」を食い止めるだけでも世界各国の思惑が交差し一向に前進の気配すらない。一昔前の梅雨は餌を求めて低空を飛ぶ燕やケロケロと鳴く雨蛙の鳴き声を長閑と感じていたが、最近ではそのような気分に浸れなくなった。季節はずれの蝉の鳴き声や異様に早い燕の飛来に違和感を抱くことのほうが多くなった気がする。今年の慰め?は山間部を車で走った際、よく見かけた「山藤」の美しさである。藤棚のそれよりも遥かに風情のある藤色は印象に残った。7月には「梅雨のない北海道」への旅行を控えこれまた違う自然を満喫できると楽しみにしている今日この頃である。

2011/05/24

星空遊泳

うしかい座のアークツールス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラが作る三角形を「春の大三角形」と呼ぶ。船乗り時代、アラスカの子会社のキャッチャーボートに「アークツールス」という名の船がいたこともありこの星には愛着がある。今年は小生の大好きなサターン(土星)をこの「春の大三角形」の中のおとめ座周辺で見ることが出来る。昨年は土星の輪が水平になり殆ど消えた状態になったため見る気になれなかったが今年はあの美しい輪が出現した。先日、急に星空が見たくなり久しぶりの星空遊泳となった。
夜空を仰ぎたいという気持ちは精神的にどういう状態のときに起きるのであろうか?子供の頃は天の川を眺めては、ひたすら「綺麗!」と感激し、小中学生の頃は星座を覚えては夜空を眺め、目当ての星座を見つけては喜んだものである。大学時代はもっぱら「天測」のターゲットとして夕闇迫る大海原で一等星をいち早く見つけるのに懸命になった。社会人になってからは世界中の海でその地域、季節でしか見れない星座や星が心を和ませてくれた。
陸に上がって今年で20年、買い求めた天体望遠鏡も6台になった。季節ごとに変化する星空を一人眺めているときの静けさ、心の安らぎは他のどんな趣味にも勝るとも劣らない。
渓流釣りが趣味という変わり者の親友に「星空観察」を薦めているがいまだその気にはなってくれない。真っ暗闇の山野で渓流の音を聞きながら夜空を仰げばどれほど素晴らしいだろうと思うのだが、、、親友に「星」を薦める小生の楽しみは一緒に渓流釣りをするのではなく、今のところ彼の持ち帰る「獲物」であることは内緒にしている。北洋や南氷洋といった極寒の地でみる星も赤道直下の満天の星もいまだ脳裏から消えることはないが何時の日かあの若かりし頃に訪れた外洋で降り注ぐ星に身を溶け込ませたいと願っている。