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2005/11/01

アルキメデスの原理

船は沈むもの、飛行機は落ちるものと信じてやまぬK君のために再度、鉄の塊みたいな船が何故浮いているのか、何故沈まないのかを説明します。飛行機はエンジンが止まると落ちますので説明は省略。さて皆さん、「アルキメデスの原理」という言葉を中学生の頃習いましたよね。「液体中に沈めた物体には重力のほかに上向きの力、即ち浮力が働く。浮力の大きさはその物体に押しのけられた液体の重量と一致する」これがアルキメデスの原理、すなわち船が浮く原理です。プールや海で泳ぐとき自分の体重が軽くなるのを誰でも感じると思いますが、あれは水に浸かった自分の体の体積に相当する水の重量分だけ軽くなるからで、船も全く同じ事が言えます。つまり箱形の鉄の塊はその鉄の重量と浮力が等しくなる深さまでしか沈まないのです。船体重量が大きくなれば水線下の面積が大きな船になり(軍艦等)、容積の割に船体重量が小さな船(自動車運搬船、客船等)は見た目の大きい船になります。ちなみにアルキメデスはこの原理を入浴中、湯槽に浸かり水が溢れ自分の体が軽くなることで発見したそうです。溢れ出る湯の量で体重の増減を気にするようになった小生もアルキメデスに近づいているのかも?しれません。。。K君に聞いてみないと分かりませんが船が怖いのは「揺れる」からではないかと思いますが何故船は揺れるのでしょう。答えは簡単、あれは沈もうと思って揺れているのではなく起きあがろうとして揺れているのです!科学的用語?で言えば「復元力」が働いていると言うことです。船体が静止状態の時は重心と浮心(浮力の中心)は鉛直線上にあり重力と浮力は釣り合っています。風や波で船体が傾くと重心は変化しませんが浮心は傾いた側に移動します。厳密に言えばメタセンター(浮心を通る鉛直線と船体中心線との交点)より下に重心がある限り船には復原力が生まれ常に静止状態になろうと揺れ続けるわけです。客船や自動車運搬船のように揺れがひどくては困る様な船は復原力を小さくし揺れの周期を緩やかにします。さて皆さん、我が東洋サッシ工業の復元力は如何ほどと思いますか?企業は船です。船は何時も凪の海を航行しているわけではありません。荒波に直面したとき、企業を立ち直らせる「復元力」は皆さんの「英知」と「やる気」です。このどちらかが欠けても転覆(倒産)します。音を上げたらお終いです。一端沈んだ船は浮き上がっては来ません。我々は素晴らしい船を持っていることを忘れないでください。その名は「フレンドシップ」です!!