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2011/06/25

南極と北極

南極と言えばペンギン、北極と言えば白熊を誰もが連想するが何故南極に白熊が、北極にペンギンが居ないかとなるとうまく説明できる人は余り居ないのではないか?熊が地球上に出現したのは2500万年前くらいといわれているが、その頃には南極大陸は既にほかの大陸とは随分かけ離れていたので熊が餌を求めて南極大陸に移り住むことは不可能であったわけである。水深5000メートル近い北氷洋に張り詰めた分厚い氷の上で主食のアザラシをむしゃむしゃ食べながら生き延びたホッキョクグマは何万年も前、餌を求め北へ北へと移動する中で寒さに耐える為に徐々に身体が大きくなって現在の姿になったとされている。
一方のペンギンが何故南極に棲んでいるか?南極大陸周辺には湧昇流と言う垂直方向の海流が流れており、栄養豊富な深層水が表層近くに湧き上がっている。これにより「藻類」が繁殖し、それを「オキアミ」が食べ繁殖をし、それを主食とするペンギンが集まるようになった。南極以外にもペンギンは南半球の所々に存在するがこれは南極大陸を端に発し南アメリカ大陸の西岸を北上するフンボルト海流に流されて辿り着いたとされる説が一般的である。それ故北半球までペンギンが移動することは不可能であったため北極にはペンギンが生息しないと言うことになる。
余談ではあるが北洋に比べ南氷洋の方が遥かに美しくロマンを感じる。悠然と浮かぶテーブル形の氷山、細かく裂けた流氷の上に一列に並ぶペンギン、時折潮を吹く鯨の群れ、、、もう一度訪れてみたい海域の一つである。